■ご挨拶
あいざと会/理事長
久保 一弘
「藍里病院」は、1980年、「精神科医療改革運動」から精神科医仲間によって「人権尊重」「地域に開かれた病院」を目指して開設されました。2001年からは、常時「断らない精神科救急」と「退院促進」に努め、2011年からは「精神科救急」によって「社会医療法人」に認定され、公立病院に並ぶ使命を負っています。2022年4月からは、「常時対応型」精神科救急の病院に指定されています。
救急急性期病棟60床は、全室個室(2床室化も可能)によってプライバシーに配慮し、短期入院(平均在院日数50日前後)に努め、2020年から、いわゆる「スーパー救急」病棟として運用しています。
回復期、慢性期の 3病棟168床は、多職種チームで「地域移行」に取り組んで退院を促進し、2020年から病院の定床を228床にダウンサイジングいたしました。
地域医療としては、藍里病院のほかに、徳島市に「あいざと蔵本クリニック」(2022年7月19日、移転・開院)、吉野川市では「あいざと山川クリニック」(デイケア、訪問看護も)で診療を行い、「あいざと訪問看護ステーション」(県東部担当)、「あいざと蔵本訪問看護ステーション」(2022年 8月1日~、徳島市~南部担当)を開設しています。
「あいざと・こころの医療福祉相談センター」では、24時間365日、暮らしの相談、精神科救急等、地域で安心して暮らしていただけるよう電話相談を受け付けています。
近年は、ストレス疾患、うつ病等の感情障害、統合失調症、発達障害、認知症など、思春期~老年期まで各年代で「こころの問題」が増大しており、2021年に「精神医療研究所」(大森哲郎所長)を設け、より専門的な医療を提供することとし、2022年9月からは「セカンドオピニオン外来」を開設しています。
また、開院以来のアルコール依存症への積極的取り組みから、薬物、ギャンブル、クレプトマニア、ゲーム障害などの依存症診療に拡大し、2017年、「依存症研究所」(吉田精次所長)を設け、「徳島県依存症専門医療機関」、さらに「徳島県依存症治療拠点機関」に選定されて広範囲の活動を行っています。
「福祉サービス部門」の「すくも」「ことじ」では、グループホームを含む住居、様々な就労支援、生活訓練、生活介護、相談支援、地域活動支援等で暮らしを支援しています。
「地域包括ケア」時代を迎え、私たちは、安心して利用していただける、多職種、多機能の医療・福祉サービスを提供して、「こころの問題」をもつ方と地域で「共に生きる」ことを目指しています。
どうかよろしくお願い申し上げます。
(2022年 9月)